今回は、サンスクリーン剤(日焼け止め化粧品)の選び方について、ガイドラインに基づいてお話します。
サンスクリーン剤(日焼け止め化粧品)には、紫外線散乱剤(ノンケミカルサンスクリーン剤)と紫外線吸収剤(ケミカルサンスクリーン剤)の2つの種類があります。日焼け止めの多くは、この2つを組み合わせて作られていますが、容器などに「紫外線吸収剤不使用」、「ケミカルフリー」などの記載があるものもあります。
紫外線散乱剤は、皮膚内部への浸透性が低い無機系の微粒子で作られています。紫外線吸収剤は、有機系の物質で作られており、皮膚の角層を通過することから、まれにアレルギーなどの皮膚トラブルが起こることがあります。抗がん剤治療中には、紫外線散乱剤(ノンケミカルサンスクリーン剤)の使用が勧められています。
日焼け止めには、紫外線の防御指数としてUV-Bを防ぐ指標のSPFやUV-Aを防ぐ指標のPAが表示されています。日常生活ではSPF15, PA++程度でよいですが、野外で長時間紫外線にさらされる場合には、SPF50以上, PA++++で、落ちにくいウオータープルーフの製品の使用が勧められています。
引用文献:
日本がんサポーティブケア学会編、がん治療におけるアピアランスケアガイドライン2021年度、金原出版
環境省、紫外線環境保健マニュアル2020、https://www.env.go.jp/content/900410651.pdf