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相談できる人はいますか

相談できる人はいま...

相談できる人はいますか

対話 医師

Motoo Yoshiharu

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金沢医科大学 名誉教授 元雄良治

先日ある患者さんの家族からお電話がありました。夫婦二人の生活でお子様や親しいご親戚はいらっしゃらず、誰も相談できる人がいないので、思い切って私に電話したとのことでした。私は自分なりにお答えしたところ、大変安心されたご様子でした。
医学的なことは、医療関係者でも専門外のことは理解が難しいです。最近はネット検索でいろいろな情報を入手できますが、何が正しいのか判断できなかったり、自分に必要な情報になかなかたどり着けないことも多いですね。
高齢者では、視力・聴力・理解力が低下して、医師や看護師の説明がよくわからないという場合があります。若い家族が付き添って頂ければ大変助かりますが、しばしば高齢者一人や老夫婦二人のことがあり、検査や治療を進めるときに病院も患者さんも苦労します。
病院で説明を聞いたけれども、今後の方針をどのように決めるのがよいかわからない、誰に相談したらいいのかわからないという患者さんもいます。そういうときに相談できる人の存在は大きいです。もしその人がわからない場合でも、その人を介してさらに適切な人を紹介してもらうこともできます。日頃からいろいろと相談できる人を見つけておくといいでしょう。

Motoo Yoshiharu

金沢医科大学 名誉教授 元雄良治

金沢医科大学 名誉教授 元雄良治

1980年東京医科歯科大学医学部卒業。1984年米国テキサス州ダラス・ワドレー分子医学研究所に2年間留学。金沢大学がん研究所腫瘍内科講師、准教授を経て、2005年金沢医科大学腫瘍内科学主任教授・集学的がん治療センター長に就任。最先端のがん治療においてチームリーダーとして活躍した。2021年金沢医科大学名誉教授、小松ソフィア病院腫瘍内科部長に就任。訪問診療にも従事し、患者・家族との対話を重視した「全人的がん医療」をめざして、地域での啓発活動にも尽力している。著書「全人的がん医療」、「まるごとわかる!がん」、「漢方でできるがんサポーティブケア」。