紫外線というと、夏季だけという印象がありますが、春や秋にも紫外線対策は必要です。これまで触れてきたように、抗がん剤の中には、紫外線量があまり強くない環境においても炎症症状などが強く出る光線過敏症を引き起こす薬剤があります。
4月や9月では、7・8月の真夏に比べると紫外線量は半分程度になりますが、何らかの対策が必要な量です。快晴の日だけでなく曇天の日も、薄い雲ではUV-Bの80~90%が透過するとされています。日本の4月や9月は、WHOの紅斑紫外線強度分類では中程度から強いレベルであり、日中は出来るだけ日陰で過ごし、出来るだけ長袖シャツ、日焼け止め、帽子の使用が勧められています。
紫外線には、直接届く紫外線と、空気中で散乱して届く紫外線があります。さらに、地表面からの反射によって身体が浴びる紫外線もあります。地表面の種類により紫外線の反射率は異なり、新雪80%、砂浜10~ 25%、コンクリート・アスファルト10%、水面10 ~20%、草地・芝生・土面は10%以下とされています。春や秋も、場所によっては多くの紫外線を浴びることになりますので油断はできません。
環境省:紫外線環境保健マニュアル2020、https://www.env.go.jp/content/900410651.pdf
WHO:Global solar UV index-A practical guide-2002