救急車から降り、自力歩行で消化器担当の第2外科の個室病棟に入院しました。血液検査等の後、しばらく病室で休んでいましたが、幸い、嘔吐はありませんでした。午後5時から、面談室で主治医のN先生の説明を受け、①肛門から閉塞部に一旦、イレウス管を挿入して閉鎖腸管を開通させ、1週間ほどして手術を受けるか、あるいは、②直ちに手術を受けるかの2者択一の説明を受けました。「先生が患者ならどうされますか」とお聞きしたところ、②の後者との返事があったので、私もすぐに即時手術をお願いしました。
午後8時入室。午後9時前、全身麻酔に入る前に執刀医のO助教授が「先生、精一杯やります」と手術台上の私に握手をして下さいましたが、私は当初から信頼してお任せするのみでした。そして静脈から麻酔剤が注入され、私は深い眠りに落ちました・・・・。
「山本先生、終わりましたよ」の声に起こされました。一瞬の眠りのように思えましたが、既に開腹手術開始から5時間が経っていました。多くの方々のおかげで、癌病巣は私の体から切除された(ようです)。上述のような困難な状況下、現役教授の自分が勤務する病院で、手術が受けられたことに大満足・大感謝でした。