CONTACT
TOP

>

鷹取元 コラム一覧

>

食道がんとお酒

食道がんとお酒

食道がんとお酒

胃がん アルコール アセトアルデヒド 食道がん 内視鏡 豆知識

Takatori Hajime

|

金沢大学附属病院 光学医療診療部 部長・准教授 鷹取元

胃の検診は内視鏡が主流になってきており、受けたことがある人も多いですよね。ときどき受診されるかたで、「食道もみてもらえますか?」とたずねられることがあります。口から入れた内視鏡は咽頭をくぐって食道に入ります。食道の終点が胃の入り口ですから、必ず食道は観察・検査しています。最近、日本では非常に早期の段階で食道がんがみつかって、内視鏡治療で根治する患者さんの割合が増えています。また外科手術やその他の治療成績も向上しています。なぜでしょうか?今回は食道がんについてとりあげていきます。

 食道がんの原因ってなんでしょう?一般的にがんの原因といえば、お酒とたばこが原因に挙げられますが、食道がんはいずれも原因となります。とくにお酒・アルコールとの関連がつよくあります。お酒は“アルコール脱水素酵素“によりアセトアルデヒドに分解され、さらに”アルデヒド脱水素酵素“により酢酸に分解されます。ちょっと難しい化学のお話になりましたが、この「アセトアルデヒド」が食道がんの発がんに関与しています。実は日本人の約半分はアルデヒド脱水素酵素の働きが弱く、食道がんだけではなく咽頭がん・舌がんなどのリスクが高くなってしまいます。

お酒を飲んで顔が赤くなる人、かつて赤くなっていた人はアルデヒド脱水酵素の働きが弱いため、注意が必要なのです。

Takatori Hajime

金沢大学附属病院 光学医療診療部 部長・准教授 鷹取元

金沢大学附属病院 光学医療診療部 部長・准教授 鷹取元

金沢大学附属病院 消化器内科に所属/公立松任石川中央病院,ソフィア内科クリニックでも診察しています。/消化器内科医24年目を迎えます。専門は内視鏡診断と治療。/モットーはわかりやすい説明と丁寧な内視鏡。/趣味は鉄道と温泉,お酒を美味しくいただくことです。