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食道がんの集学的治療

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食道がんの集学的治療

胃がん 食道がん 内視鏡 治療法 内視鏡的粘膜下層剥離術 抗がん剤

Takatori Hajime

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金沢大学附属病院 光学医療診療部 部長・准教授 鷹取元

少し進んでいて内視鏡治療では治癒が難しいと判断された場合は,外科手術を検討します.外科手術と内視鏡治療の最大の違いは,食道の全体と,さらに周囲のリンパ節も一緒に切除できることです.食道を切除して,胃を細くして食道のかわりにする手術が主流です.近年は食道の周囲に細いカメラと手術器具をさしこむ胸腔鏡や,「ダヴィンチ」に代表される手術ロボットの支援下でおこなう手術が中心です.また手術の前に抗がん剤による化学療法をおこなってから手術することで手術成績が向上しています.

手術が難しいと判断される場合にも,有効な治療法があります.食道がんは放射線治療の効果が出やすい“がん”です.以前から放射線と化学療法を同時におこなう,「放射線化学療法」の有効性が知られています.治療の完遂までは6週間ほどかかりますが,非常に有効な治療法です.食道がんの化学療法に用いる薬剤の選択肢も増えてきています.以前のコラムでも紹介した新しい種類の治療薬であるニボルマブ(オプジーボ)や,イピリムマブ(ヤーボイ)の成績が良好であることから,つい最近つかえるようになりました.

もしも,放射線治療後に食道にがんが再発してしまった場合であっても,内視鏡を用いた光線力学療法(PDT)という治療法があります.金沢大学病院も北陸地区唯一の治療施設としてPDTをおこなっています.

このように食道がんの分野では診断,治療が大きく進歩しています.消化器内科,外科,放射線治療科がスクラムを組んで,患者さんに最適な「集学的治療」をおこない,さらなる治療成績の向上を目指しています.

Takatori Hajime

金沢大学附属病院 光学医療診療部 部長・准教授 鷹取元

金沢大学附属病院 光学医療診療部 部長・准教授 鷹取元

金沢大学附属病院 消化器内科に所属/公立松任石川中央病院,ソフィア内科クリニックでも診察しています。/消化器内科医24年目を迎えます。専門は内視鏡診断と治療。/モットーはわかりやすい説明と丁寧な内視鏡。/趣味は鉄道と温泉,お酒を美味しくいただくことです。