ピロリ菌を除菌すれば、胃癌になる確率を減らすことができますが、ゼロにはできませんので、内視鏡による定期検査が大切になります。内視鏡に苦手意識を感じる方もいらっしゃいますが、早期で胃がんを発見するには内視鏡がベストです。
胃がんが多いという背景によって、日本の内視鏡医は胃がんを発見する技術や経験値が高く、内視鏡機器の進化も盛んで、日本製が世界の主流です。直径8-10mmの口から挿入する内視鏡のほか、直径5mm程度の鼻からいれる内視鏡もあります。
テレビがデジタル、ハイビジョンと進化したのと同様に内視鏡の性能も年々向上しています。胃や食道のがんをみつけやすくする特殊な光を使った内視鏡は現在多くの医療機関に導入され、大学病院や専門施設ではより精密な拡大観察機能のある内視鏡機器も用いられています。
近年、多くの自治体で、従来のバリウムによる胃透視にかわって内視鏡による胃がん検診が普及してきています。こういった検診や内視鏡の進歩によって、胃がんはより早期に診断することが可能となり、治癒できる患者さんの割合が増えてきたのです。
胃がん検診を活用して、信頼できるかかりつけ内視鏡医をみつけていただきたいと思います。