胸部CTで異常な塊が見つかった場合、肺がんCT検診ガイドラインでは以下のように推奨されています。
- 肺結節影が10mmを超える場合には診断のための検査を行う。
- 6-10mmの場合には胸部CTで経過を見ていく。この結節とは画像中に見られる小さな塊(5-30mm)のことです。②の場合、どのような間隔でCT検査を行うか、というと、まずは1ヶ月後、次に3ヶ月後、次いで6, 12, 18, 24ヶ月後、となります。
Swensen SJらは、肺結節影を3000例以上集めて行った結節影の大きさと肺がんとの関連を調べた研究結果を報告しています (Swensen SJ, et al. Radiology, 2005; 235(1): 259-265. )。その研究では、4mm未満では0%、4-7mmで1%、8-20mmで15%、20mmを超えると75%で肺がんと診断された、と報告されています。肺がんらしいかどうかは、大きさだけではありません。形状も肺がんらしいかどうかを判断するうえでとても重要なポイントです。
肺がんをより疑うCT画像の特徴として、以下のようなものがあります。
- 新たに出現した結節(肺の中に見られる塊)や経過で徐々に大きくなる場合
- 塊の辺縁がスムーズではなく、でこぼこしている。
- 周りの血管や小さな気管支、胸膜(肺の外側にある肺全体を包む膜)を巻き込んでいる。
- 内部の濃度が不均一
- 複数ある
- リンパ節が腫れている
- 石灰化(CTでは真っ白に写ります)がない。
担当医から胸部CTの説明を受ける際には、以下の点について確認しましょう。
- 胸部CTで異常があるのかどうか?
- ある場合には、①どこにあるか(右肺か、左肺か、両側か)、②どのような異常か(形、大きさ、その他特徴)、③複数あるか、④他に異常はないか、について気をつけて聞いてください。