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木村英晴 コラム一覧

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1.「肺に影があります」~胸部異常陰影を指摘された場合~②

1.「肺に影があり...

1.「肺に影があります」~胸部異常陰影を指摘された場合~②

肺がん レントゲン 胸部異常陰影 呼吸器内科

Kimura Hideharu

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小松ソフィア病院 副院長 木村英晴

②胸部レントゲンで「異常あり」は、肺がんと確定されたわけではありません。

 肺の異常を指摘される場合は2通りあると思います。1つは、担当医から直接伝えられる場合です。何らか症状があって医療機関を受診し胸部レントゲンを撮影した場合です。もう1つは健康診断や肺がん検診などの結果が送られてきた場合です。医療ドラマで「肺に影がある」といえば、それは肺がんになったという衝撃的なシーンになりますが、実際には胸部レントゲンで異常な影があることと肺癌になったこととは、必ずしもイコールではありません。

肺がん検診を1万人が受診した場合、おおよそ200人が「異常あり」と判定され、そのうち精密検査を受けたのは157人で、最終的には5人に肺がんが見つかった、というデータがあります。(検診の意義と目的 | 日本対がん協会 (jcancer.jp))つまり、胸部レントゲンで肺に異常がある、という結果を受けた場合、肺がんが確定したことを意味するわけではありません。肺がんが存在している可能性があるため、精密検査は必ず受けた方が良い、ということです。肺結核など別の肺の病気がみつかることもあります。担当医や検診結果に記載された指示に従って下さい。

肺のレントゲンで異常が疑われた場合には、通常は次に胸部CT検査を受けることになります。

Kimura Hideharu

小松ソフィア病院 副院長 木村英晴

市立砺波総合病院 緩和ケア科 部長 加登大介

職歴:金沢大学附属病院呼吸器内科で勤務後、2023年4月より小松ソフィア病院副院長に就任。専門分野は呼吸器疾患全般・肺癌。
主な資格:日本内科学会認定総合内科専門医 / 日本呼吸器学会認定呼吸器専門医