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木村英晴 コラム一覧

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4.「肺のカメラで詳しく調べましょう」~生検にて病理診断を行う~②

4.「肺のカメラで...

4.「肺のカメラで詳しく調べましょう」~生検にて病理診断を行う~②

肺がん 呼吸器内科

Kimura Hideharu

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小松ソフィア病院 副院長 木村英晴

肺がんが疑われる場合には診断を確定するための検査を行います。診断を確定する、ということは、病理診断を行うことになります。病理診断とは、異常部分の細胞を採取し、病理診断医が評価するための特殊な処理を行い、顕微鏡で細胞を見てその特徴を確認します。病理診断医とは、細胞の特徴を評価して病気の診断を行う専門医です。異常部分の細胞を採取し検査することを生検と呼びます。肺内の異常部分を採取する方法はいくつかあります。

1. 気管支鏡検査:肺のカメラを口から入れて採取します。
2. CTガイド下肺生検:体の外から針を刺してCTで確認しながら採取します。
3. 外科的肺生検:手術で採取します。

いずれの検査も負担のかかる検査ですが、軽い順から並べると、気管支鏡検査<CTガイド下肺生検<<外科的生検、ということになります。ただし、これは検査を受ける側(患者)が自分でどの方法が良いか選んで決めることができるものではありません。採取したい異常部分の場所や大きさ、元々の肺の状態によって、担当医(呼吸器専門医)やCTガイド下生検施行医、呼吸器外科医との間で相談し、担当医より最適な生検方法が提示されます。胸水(肺の外に貯まる水)がある場合や、皮膚の上から触れることができるようなリンパ節の腫れがある場合には、それらを採取して診断する場合もあります。これらのような検査を行う場合には、通常検査入院が必要です。この段階で、ついに第1回目の入院となります。いずれの検査も専門的な技術を必要とするので、この段階で別の専門病院への紹介を勧められる場合もあります。その場合には、紹介状とこれまで行った画像検査のデータなどを持参して、受診してください。それまでに担当医より説明用紙などがあれば、それも一緒に持参するのが良いでしょう。紹介先では、これまでに自分がどのような説明を受けてきたか、その説明を聞いて自分はどのようなことを希望しているか、について話してください。それによって、紹介された側の医師(新しい担当医)は、無駄なくスムーズに追加の説明を行うことができますし、もしこれまで受けてきた説明について患者側が間違って理解していた部分があった場合には、改めて説明を受けることができます。

 

生検にて病理診断を行う③に続く

Kimura Hideharu

小松ソフィア病院 副院長 木村英晴

市立砺波総合病院 緩和ケア科 部長 加登大介

職歴:金沢大学附属病院呼吸器内科で勤務後、2023年4月より小松ソフィア病院副院長に就任。専門分野は呼吸器疾患全般・肺癌。
主な資格:日本内科学会認定総合内科専門医 / 日本呼吸器学会認定呼吸器専門医