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幸福の黄色いハンカチ

幸福の黄色いハンカ...

幸福の黄色いハンカチ

緩和ケア 緩和ケア医

Kato Daisuke

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市立砺波総合病院 緩和ケア科 部長 加登大介

先日、山田洋次監督の『幸福の黄色いハンカチ』という映画を観ました。話が進むにつれ、ふと自分自身が武田鉄矢や桃井かおりの視点で映画を観ていることに気がつきました。主人公を幸福の黄色いハンカチへと導く手助けをするふたりの視点です。自宅に戻ることを諦めかけた主人公を『万が一(離婚した妻が)待ってくれていたらどうするの』と諭すシーンと、風になびくたくさんの黄色いハンカチを呆然と眺める主人公の背中を押すシーンが特に印象に残りました。

緩和ケアでは、良くも悪くも万が一への備えを怠りませんし、患者さんの希望を叶えるためにタイミング良く後押ししようと手を尽くします。そんな習慣のせいか、いつのまにか自分をふたりに投影して観入っていたのかもしれません。映画は、『ハッピーエンド』の素晴らしさを余韻にたっぷり残して幕を閉じました。

ハッピーは必ずしも与えられるものではなく、時には自分から求めることも必要です。ですから是非みなさんの方からも緩和ケアのドアをノックしてほしいのです。ドアの先には、あなたらしいピースマークを自然と作ることの手助けをしてくれる誰かがいます。きっと、とびきり素敵な写真が撮れるはずです。

Kato Daisuke

市立砺波総合病院 緩和ケア科 部長 加登大介

市立砺波総合病院 緩和ケア科 部長 加登大介

職歴:虎の門病院 内科、血液内科、臨床腫瘍科、緩和医療科 医長/日本バプテスト病院 ホスピス/富山市民病院 緩和ケア内科 主幹
主な資格:日本内科学会内科認定医/日本血液学会血液専門医/日本緩和医療学会緩和医療専門医/日本臨床倫理学会臨床倫理認定士