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緩和ケアのススメ

緩和ケアのススメ

緩和ケアのススメ

緩和ケア 終末期

Kato Daisuke

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市立砺波総合病院 緩和ケア科 部長 加登大介

“緩和ケアを受けると長生きする”『まさか!』と思われた方おられるでしょう。少し前は医療従事者も、そんなこと思いもしませんでした。でも2010年、ある研究が有名な医学雑誌に掲載されました。それは、がん治療だけを受けた患者さんに比べて、がん治療と緩和ケアを受けた患者さんの方がおよそ3ヶ月長生きしたのです。3ヶ月とはいえ、そんな治療薬が見つかれば大ニュースになりますから、それは大きなインパクトでした。

それ以前から日本でも緩和ケアは注目されていましたが、これを機にますます重要視されるようになりました。そして今では、緩和ケアは抗がん剤や手術などの抗がん治療と並んでがん医療の中心となり、国も“早期からの緩和ケア”と銘打って、がんの進行度に関係なく、抗がん治療と緩和ケアを同時に受けることを推奨するようになりました。

もちろん緩和ケアでは、がんを小さくしたり治したりする治療はしません。クスリなどで症状を和らげ、いろいろな話し合いを重ねるだけですが寿命が延びる。このことは、緩和ケアが病気ではなく、その人全体を対象にしていることを示す証しだ、と私は思います。いかがでしょう、緩和ケアに関心が湧いてきたでしょうか?

Kato Daisuke

市立砺波総合病院 緩和ケア科 部長 加登大介

市立砺波総合病院 緩和ケア科 部長 加登大介

職歴:虎の門病院 内科、血液内科、臨床腫瘍科、緩和医療科 医長/日本バプテスト病院 ホスピス/富山市民病院 緩和ケア内科 主幹
主な資格:日本内科学会内科認定医/日本血液学会血液専門医/日本緩和医療学会緩和医療専門医/日本臨床倫理学会臨床倫理認定士