胸部CT検査を受けた後に担当医から結果の説明があります。
おおよそ以下のいずれかになるでしょう。
1)肺がんが疑われる
2)肺がんであることを否定できない
3)別の肺の病気が疑われる
4)全く問題がない、異常が見られない
4)の「全く問題がない」場合は検査はこれで終了となります。
今回から4回に分けて、1)強く疑われる場合、と2)否定できない場合、について説明します。まずここで知っておいてほしいことは、胸部CTで肺がんを診断することはできない、ということです。肺がんが疑わしい、がんを否定できない、がんの可能性は低い、という違いまではわかります。
まずは、否定できない場合(強く疑われるわけではない)を先に取り上げます。肺がんを否定できない場合として、小さな異常が見つかった場合、炎症性変化(過去に何らかの肺炎や気管支炎があって、その炎症の跡がキズ跡みたいに残っているもの)が疑われる場合、が考えられます。
否定できない場合には、時間をあけて胸部CTを再度行い、その疑われている異常部分の変化を確認します。
時間経過の中で、その異常部分が徐々に小さくなったり、消えてなくなったりする場合には、肺がんであるとは考えられません。小さくなったことを確認できれば、それ以上の検査は必要ありません。肺がんが疑われる場合とは、少しずつ大きくなる場合や、異常部分の性状が変わる場合(形が変わる、内部に濃い部分が出てくる、など)には肺がんの可能性がより強くなります。その場合には、さらに詳しい検査が必要になります。どのような検査が必要となるのか、については次々回に説明します。